予感の温度
静まり返った部屋の空気は、どこか現実味を欠いた微熱を帯びていた。遮光カーテンの隙間から、わずかに差し込む外の光が、床の上に細い線を引いている。ソファに浅く腰掛けた私のすぐ隣で、彼が体勢を変えるたび、衣服が擦れる柔らかな音が室内に小さく響いた。手元に置かれたスマートフォンの画面が、新着の通知で一瞬だけ青白く室内を照らし、またすぐに闇に溶けていく。お互いの肩が触れるか触れないかという、じれったいほどの距離。彼が静かに息を吸い込むたび、わずかにウッディな香水の香りが鼻腔をくすぐり、なぜか私の喉の奥を乾かせた。
「なんか、今日の部屋、いつもより静かだね」
私の呟きに、彼はすぐには答えず、ただゆっくりとこちらに顔を向けた。その真っ直ぐな視線に射抜かれ、胸の奥がトクンと跳ねる。
加速する呼吸
彼の手が、私の手首にそっと触れた。触れられた皮膚からじわじわと熱が広がり、体温が急速に上昇していくのが分かった。言葉を失った二人の間で、張り詰めた沈黙が長く引き延ばされていく。彼の熱い吐息が首筋にかすかに触れるたび、全身に甘い緊張感が走った。この四角い部屋という閉ざされた空間が、私たちの高まる感情を閉じ込める容器のようだった。見つめ合う時間の長さに比例して、視界の端がぼやけ、お互いの存在の輪郭だけが鮮明に浮かび上がってくる。
「……本当は、ずっとこうして欲しかったんだろ?」
低く掠れた彼の声が、私の思考をすべて消し去っていく。
境界線の崩壊
世界にはもう、この部屋と私たち二人しか残っていないのではないか。そんな錯覚に囚われるほど、内面からの強い衝動が突き上げていた。彼の指先が肌の上を滑るたび、その圧倒的な熱量に抗うことができず、息を吸うたびに彼の匂いが肺をいっぱいに満たしていく。次にどちらが動けば、この目に見えない境界線が完全に崩れ去ってしまうのか、頭では分かっているのに身体が熱さでうまく動かない。互いの肌の温もりが混ざり合い、脈拍の速さが同期していくのを感じる。お互いの存在に強烈に惹きつけられ、これまでの関係性をすべて壊してしまいそうな、圧倒的な予感に胸が締め付けられる。私たちはどちらも動けないまま、ただ熱い吐息を重ね合わせるようにして、次の瞬間を激しく求め始めていた。

まんぐり
恥ずかしい格好で
丸見えアナル

