不均衡な器の干魃
私の胸元は、大人の女性としての豊かな膨らみを持たない。薄い絹のブラウス越しに浮き出る鎖骨の線はどこまでも平坦で、そんな子供じみた身体が、彼の前ではいつもひどく頼りなく、そして恥ずかしく思えた。
「そんなに、喉が渇いているの?」
私の問いかけに、床に膝をついた彼は答えない。ただ、乾いた喉をゆっくりと鳴らし、私の平らな胸元から、小さく波打つお腹のあたりをじっと見上げている。その目は、池の底でただひたすらに天からの恵みを待つ、飢えた生き物のようだった。
部屋を包むのは、夕暮れの濃い影と、彼が吐き出す熱い呼気。衣服が擦れるわずかな音さえ、静寂を鋭く引き裂く。私は戸惑いながらも、その視線から逃げ出すことができなかった。二人の間の空気は、まるで嵐の前の静けさのように重く、じれったく張り詰めている。
熱の滴り、開かれる渇望
彼がゆっくりと顎を上げ、唇を微かに開いた。その仕草は、私のすべてを呑み込もうとする意思の現れのようで、背筋に奇妙な悪寒が走る。
私の中の何かが、彼のその圧倒的な「渇き」に呼応して、じわじわと熱を帯びていく。平らな胸が激しく上下し、身体の芯からせり上がる熱い衝動が、目に見えない水分となって肌ににじみ出るようだった。
「拒まないでくれ」
彼の低い掠れた声が、私の足元から響く。彼は首を反らせ、上空から降る何かを待ち受けるように、ただじっと私を見つめ続けている。その従順でありながらも強欲な視線に、私は自分の身体の未熟ささえもが、彼を狂わせる特別な凶器へと変貌していくのを感じていた。内側から溢れ出そうとする熱い感情の波が、今にも堰を切って彼の上に注がれようとしている。境界の決壊、あるいは受肉
もはや、理性の言葉は意味をなさなかった。
私は彼を見下ろし、彼は私を仰ぎ見る。その視線の交錯は、永遠のようにも思える濃密な間を生み出していた。私の身体の奥深くで燻っていた熱情が、一滴の雫となって彼の開いた唇へと滑り落ちていくような、強烈な錯覚に囚われる。
彼が喉を震わせ、私のすべてを受け入れる準備を整える。その圧倒的な渇望の前に、私は自らの境界線が融解し、彼の中に流れ込んでいくのを止められなかった。お互いの存在に強烈に惹きつけられ、このまま理性の衣をすべて脱ぎ捨て、彼の待ち受ける深淵へと自らを注ぎ込んでしまいたいという衝動が、私たちの行動を決定的に変容させようとしていた。


